【ホラー】新人警備員の相談事
701 :名無しさん :2010/06/18(日)20:07:35 ID:twYvhJ3xk
休日に家にいたら、自分の携帯が鳴った。
出てみると、警備員仲間のAだった。
話を聞くと、どうやら俺に相談したい事があるようだった。
Aは新人の警備員で、その時は俺と同じ現場に配置されていた。
その現場は何ヶ月にもわたって県道を作っている所で、
20人くらいの警備員が4、5人のグループに別れて交通整理などをしていた。
他の現場には無い独自のルールなどがあり、新人には少し難しい所だっだので、
仕事に関する相談をしたいんだと思った。
Aとはプライベートな話をした事は無かったが二つ返事で快諾し、飯を食いながら話を聞く事になった。
自転車で待ち合わせ場所の飲食店に行くと、Aと俺の知らない男がいた。
男は短髪でスーツを着ており、一見すると警察官っぽい感じがした(以下、この男を『スーツ』と記す)。
その男よりも俺は、Aの姿に驚いた。
Aはいつも警備員のヘルメットか帽子を被っていたので気付かなかったが、
Aの頭髪は薄くなっており、明らかに俺より年上に見えた。
年齢を聞いてみたら、俺より10歳近く年上だった。
俺は今までAを年下だと思っていて、
『年下で新人からの相談は断れないだろ』みたいな感じでここに来たので、とにかく驚いた。
Aも俺の私服と反応を見て、『あれ、年下だったの?』みたいな感じになっていた。
701 :名無しさん :2010/06/18(日)20:07:35 ID:twYvhJ3xk
とにかく、この謎の3人で雑談をする事になった。
始めは普通の会話をしていたのだが、だんだんとスーツが『先祖』や『祈り』等の微妙なキーワードを使い出して、
最終的には某新興宗教の勧誘になった。
どうやら、初めから俺を勧誘する為にここに呼び出したようだった。
スーツは、自分が信者になってから金運が上がって儲かった話を繰り返し、
お布施が他の団体と違って任意かつ定額だとか語り、やたら金に関する事を強調していた。
Aは、金運は上がってないものの、信者になってから自信がついたとか、毎日が充実している的な事を語っていた。
最後にスーツは、この近くにある教団施設を見学してみないかと言ってきた。
どんな施設なのか興味があったので行ってみることにした。
ちなみに、施設にはスーツの新車で行った。(車内で自慢していた)
施設は無駄に大きくて、高速のパーキングエリアにありそうな食堂もあった。
スーツの後ろを歩きながら周りを見ていると、スーツが受付で何かを話しだした。
そして、この紙に記入してくれと言ってきた。
紙を見ると、入信申し込み用紙だった。
見学に来ただけなんだけど・・・と思いつつ、
これに記入すると入信の儀式的なものを受けられるとの事だったので、
好奇心に負けて、携帯の番号と名前以外は適当に記入した。
入信の儀式的なものは、施設の二階にある30畳くらいの和室で行われた。
その広い部屋に、俺とAとスーツの3人と、宗教団体の幹部っぽい奴1人の合計4人。
俺ら3人は正座をして、幹部っぽい奴が唱える題目を聞く。
時折Aとスーツがお辞儀をするので、俺もそれに合わせてお辞儀をする。
こんな感じの事が15分くらい続くだけで、特に変わった事はしなかった。
儀式的なものが終わり、足の痺れが回復した頃、スーツから数珠と経本と謎の機関紙を貰った。
そして、俺の自転車が置いてある場所までスーツの車で送ってもらい、家に帰った。
701 :名無しさん :2010/06/18(日)20:07:35 ID:twYvhJ3xk
翌日の夜、Aから携帯に電話がかかってきた。
もうAとは関わりたくなかったので、着信拒否に設定した。
仕事現場でも、Aとは必要最低限の会話しかしないようにした。
一週間後、ふと着信拒否の履歴を見てみたら、Aから毎日3回ほど着信があった。
一ヶ月後、着信拒否の履歴を見てみたら、回数は減っていたものの、毎日Aからの着信があった。
俺は履歴を確認するのを止めた。
やがて警備員のバイトを辞め、Aと会う事もなくなった。
二、三年後、家にいる時に携帯が鳴った。
知らない番号からの着信だったが、特に気にせず出てみた。
『僕の事、覚えてますか?』
誰だか判らず黙っていると、
相手は警備員として一緒に働いていた的な事を語りだし、Aだと判明した。
その瞬間、俺は爆笑してしまった。
お前何年電話し続けてるんだよww馬鹿じゃねーのwwww
そんな気持ちが爆発的に湧いてきて、俺はただただ笑った。
そして、気が付くと電話は切れていた。
今思うと、その電話を受けた少し前に携帯の機種変更をしていたので、
そのせいで着信拒否の設定が外れてしまったのだと思う。
ちなみに、その日以降、Aから電話がかかってくる事はなかった。
ただ電話が繋がって爆笑されて心が折れてしまったのかもしれない・・・。
まぁ縁が無かったという事だね。
宗教は必要な人だけが必要な宗派に属すればいいのだ
ディスカッション
怒ったAが呪いを掛けたため、投稿者は童貞警備員のまま、この4年後に自殺した。
宗教(オカルト)を信じる者の呪いは強力になることが多い。