【オカルト】嫉妬する車
239 :本当にあった怖い名無し:2007/02/06(火) 17:25:41 ID:nXs+8HdLO
自分は今まで心霊体験なんか全くなく、30数年を過ごしてきました。
今から6年前の4月、仕事で博多に長期出張の間に経験した出来事です。
自分にとって初めての長期出張。
仕事は営業マンでけっこう給料も貰っており、住まいも博多駅から歩いて5分。
全○空ホテル斜め前の交番を少し入った公園の向かいのマンション。
立地もいいし家賃はほぼ会社持ちで、とにかく毎日のように浮かれて、
中洲や博多駅近辺で呑んで騒いで、福岡を満喫していました。
その頃自分は、携帯の出会い系サイトや伝言ダイヤルみたいのを使って、
『東京から来ました、友達になりませんか』みたいな書き込みを散々して、
新しい土地での出会いや遊ぶ為に一生懸命。
そんな引っ越して間もない頃に知り合ったK子。
240 :本当にあった怖い名無し:2007/02/06(火) 17:27:20 ID:nXs+8HdLO
最初はメールからでしたが、短い間で急接近し、お互いに彼氏彼女持ちだけど遠距離中だと暴露。
でも会いたいねみたいな、ラブリーな関係になっていました。
K子は熊本県の八代というところの有名ショッピングモールで働いていて、
たまに福岡の天神に買い物に来るとのこと。
そこで5月中旬にK子が連休を取り、いきなり3日間一緒に時間を過ごすことに。
約束の日は平日の夜。
待ち合わせの場所に赤いシ○ックに乗ったK子が到着。
まだ顔も見たことのなかったK子は、とても綺麗なスタイルの良い女の子。
自分のマンションの前の公園脇に真っ赤なシ○ックを停めて、居酒屋で呑んでから部屋で過ごすことに。
普段その公園は路駐の車がいつも沢山あるので、なにも気にせず路駐して時間を過ごし、
朝を迎えて、自分だけが会社なので、彼女を部屋に残して家を出ました。
241 :本当にあった怖い名無し:2007/02/06(火) 17:32:38 ID:nXs+8HdLO
会社で仕事をしていると、K子から電話が入る。なんだろうと思い折り返す。
すると、赤いシ○ックがレッカーされたとのこと。
ついてないなぁと思いながら話していると、他の車は昨夜から停まっているのにそのままだと怒ってる。
変なこともあるなぁと思いながらも、次の日が土曜日で休みなので、一緒に車を取りに行こうよと話して、
その日は普通に2人で過ごし終了。
翌日の朝、2人で車を引き取りに向かい、そのまま天神でデートすることに。
自分が運転しようとシートに座ると、右のドアのもの入れみたいなとこにスーパーのビニール袋があって、
ドアを開けた時にゴソリと床に落ちました。
「何これ?」
特になんとも思わず聞いてみると、K子は「それ塩なんだ」。
242 :本当にあった怖い名無し:2007/02/06(火) 17:33:38 ID:nXs+8HdLO
どうやらK子の話では、昨年デートをしていた時にぶつけたとのこと。
詳しく聞いてみると、この車は中古の車で、
2年程前までK子は福岡で働いていたんだけど、人事移動で現在の八代に。
その少し前に、福岡で車を購入したとのこと。
事故のは一回ではなく、その前にも男性が運転していて事故をしている。
かろうじて彼女は怪我をせずにすんでいるが、一回は男性が骨折までして、フロントガラスまで割れたとのこと。
それからは車を停める時には、必ずハンドルとタイヤ4つに盛り塩をしているらしい。
実際に大量の塩を見たけれど、ヘェーぐらいなのは駐禁だけで、特別なことは何もありませんでした。
ただ自分には、その赤いシ○ックが不思議に思えただけで…
それからも彼女は、三週間に一度づつ三連休を取って泊まりに来ていました。
平日に来ることが殆どで、自分が車に乗る機会はなかったのですが。
243 :本当にあった怖い名無し:2007/02/06(火) 17:37:21 ID:nXs+8HdLO
ある日2人で、海沿いのアウトレットへ買い物に行きました。
観覧車に乗り、かなり大胆に2人で過ごしたあと、
(その時、何故かもう一つ観覧車を作ってたのを覚えてる(時期の限定の為))
自分が車を運転して帰る途中。
「ねぇ、なんか車から変な音しない?」
「最近なんか変な音するんだよね。昔もあったけど、ほっといたら治ったから平気だよ」
自分は車に詳しくはないですが、なんだか不完全燃焼しているようなそんな感じ。
「一度ディーラーとかに見てもらった方がいいね」などの会話を覚えてる。
244 :本当にあった怖い名無し:2007/02/06(火) 17:38:33 ID:nXs+8HdLO
そしてある休みの日の午前中、K子が泊まりに来る為に、『車で今から出発するよ!』との電話。
その頃はもうお互いを恋人と思っていたので、楽しみでしょうがないのだが、
彼女が出発して数時間後に再度電話が鳴る。
『どうやらさっきからブレーキが効かないんだけど、どうしよう…』
高速道路でブレーキが効かないなんて、大の男でも焦る状況。
自分は電話で、
「とにかく左車線に寄って、そのままアクセルを踏まないでウインカーを出して、惰性で停まるんだよ!
その間にJAFを呼ぶから、いまどの辺りなの?」
なんて会話をしていた。
ちょうどインターを過ぎた辺りだったので、思ったよりも早く救出されひと安心。
車は現地近くの車屋さんに修理を頼み、K子とは電車向かった自分と合流。
K子は憔悴しきった表情で涙ぐんでいた。
修理は数日かかるところを、事情を話し3日間でお願いし、K子と自分は自宅へ向かいました。
帰りの電車でK子がぐったりしながら、
「あの車おかしいのかなぁ。なんだか、○○に会いに来るときにいつもおかしくなる」
245 :本当にあった怖い名無し:2007/02/06(火) 17:40:16 ID:nXs+8HdLO
実は、ブレーキがおかしくなったのはこれが初めてではなく、
アウトレットに行った先日も、高速でブレーキがきかなかったとのこと。
そして昔の男性との事故も、2人で乗った時ばかり。
自分もうすうす感じていました。車が…赤いシ○ック嫉妬してるんじゃないかって。
そして8月、ついに自分にも5連休の休みが取れたので、今回は自分が初めて八代に泊まりに行くことに。
お昼に出発した自分が八代に着いたのは夕方頃。都内で生まれ育った自分には、ビックリするくらい長閑な場所。
彼女とメールで連絡をとり、あの赤いシ○ックで迎えに来てくれた。
彼女の住まい近辺には何にもなく、買い物さえ車がないとどうしようもない場所でした。
246 :本当にあった怖い名無し:2007/02/06(火) 17:43:52 ID:nXs+8HdLO
しかも、残念ながら5日間ともK子は仕事で…販売だからかき入れ時は休めない…
だから、自分が帰る最終日の1日前の夜まで、夜食以外はずっとK子の部屋で過ごしました。
本当に素敵な時間を過ごした最終日前日の夜、
自分は電車で帰るので、最後は熊本ラーメンを食べに行きたいと、2人で外出しました。
そのお店は、八代駅に向かう途中のちょっとした繁華街の、脇道を入ったところにありました。
駐車場がないので、繁華街の四車線の広い道路に車を路駐。
ラーメンを食べてから車を停めた道路へ向かうと何故か…停めた車の辺りに人だかりが…
247 :本当にあった怖い名無し:2007/02/06(火) 17:45:02 ID:nXs+8HdLO
しかもパトカーが停まってる…
自分はとっさに、「路駐で捕まったかなぁ、ごめんね」などK子をなだめてた。
でも近くに行くと様子が違う。
車は運転席側が半壊。助手席側もドアが開かない状態。
何があったのかわからずに車に寄っていくと、
お巡りさん「これ、君達の車かね?」
自分「はい。何があったんですか?」
お巡りさんに教えられて前方を見ると、100メートル程先に傾いた車。
お巡りさん「酔っ払い運転で当て逃げだよ。逃げようとしたけど、車がダメになって向こうで停まっているよ」
そんなやり取りの間中、「どうして…どうして…」とずっと泣いていた。
お巡りさんがK子に、「車検証出していいかな?ちょっと拝見するよ」と、割れたドアガラスから車検証を取り出す。
お巡りさんから「この住所がお宅の住所かな?」と聞かれ、自分はわからないのでK子に問いかけると、
K子「知らない…そんな住所知らない…」と、心ここにあらずという感じ。
248 :本当にあった怖い名無し:2007/02/06(火) 17:46:36 ID:nXs+8HdLO
住所には熊本県八代市○○。
その住所を見ても自分には何もわからないが、
お巡りさん「住所はこの辺だなぁ…」
自分「いやっ、○○ホームセンターの方で、この辺じゃないですよ」
お巡りさん「あっ!これは前の人の住所だねぇ。こっちの八代市○○が君の住所かな?」
K子に再度問いただすと、泣きながら何度も頷く。
えーっ…その前の住所って何?
自分はその住所を見て電信柱の住所を見ると…えっ…この辺の住所じゃん。
これって、この赤いシ○ックの前の持ち主の住所だよね。
K子はその時も、車が潰れたショックで全くそのことを不思議に思わないようで、泣いていた。
その後警察に連れて行かれて、聴取みたいなのを受けるのと、相手が酔っ払いなので、相手の迎が来てから謝られて、
結局帰りは午前3時過ぎ。
タクシーで彼女の部屋に戻り、彼女を落ち着かせようと必死だった。
でも頭の片隅には、車検証の住所のことがいっぱいで…
250 :本当にあった怖い名無し:2007/02/06(火) 17:49:48 ID:nXs+8HdLO
次の日、K子が仕事に行く時に、タクシーで二人して出発。
K子を下ろしたあと駅に向かう途中で、どうしても住所のことが腑に落ちないので、
運転手さんに昨夜の住所を告げて向かってもらった。
タクシーが着いたのは…昨夜の事故現場が見える場所。信じられないくらいにすぐ近く。
自分は昨夜の住所の家を探そうと歩き出す。
するとその家はすぐに見つかった。
立派な2階建ての家で、入り口が細い竹の格子の玄関。
自分はとても迷ったけれど、思い切ってチャイムを鳴らしてみた。
出て来たのは50才そこそこのおばさん。
自分「大変突然で失礼なんですが」
自分は失礼なのを承知で、昨夜の事故の事、自分がもうここに来ることはないこと、そんなことから話し始めました。
するとおばさんは事故の事を知っており、事故の時に現場に来ていたとのこと。
なかなか話してくれなかったけれど、それから小一時間おばさんと話しました。
251 :本当にあった怖い名無し:2007/02/06(火) 17:51:08 ID:nXs+8HdLO
そしてここからは、おばさんの話と憶測です。
おばさんには息子さんがいて、数年前に亡くなっていました。
その息子さんは自分で買った赤いシ○ックを本当に大切にしていて、毎週庭で洗車する姿を良く覚えているそうです。
ある日、息子さんは赤いシ○ックで運転中に、事故に巻き込まれ亡くなった。その後車は熊本で売却した。
そして昨夜の事故。
自分が感じたこと。
K子は赤いシ○ックを本当に大切にしていた。
そしてその赤いシ○ックには、おばさんの息子さんの思いが今でも残ってる。
息子さんは、K子に愛されることを喜んでいたのかもしれない。
なのにK子は違う男を車に乗せる。
愛するこの赤いシ○ックとK子に男が。
K子は福岡で赤いシ○ックを買ったあと、八代に呼ばれたのではないか。自分のそばに来て欲しくて。
そしてたぶん、息子さんは嫉妬していたのだろう。自分もいなくなって欲しかったのかもしれない。
その後、事故を起こした相手の保険屋さんとの窓口を自分がやり、
ローンは少し残ったがK子は新車に乗り換え、納車がすむ頃にはお互いに連絡もしなくなった。
車を大事にしていたから、息子のその想いが車に宿ったままなんだろう
人間の想いというのは目には見えないが、そこに存在して、残るものなんだとよくわかる
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